DSWD、障害者と高齢者の駐車場確保を要請

マニラ、フィリピン発 — フィリピン社会福祉開発省(DSWD)は、障害者(PWD)や高齢者がどのような種類の車両を使用していても、優先駐車場へのアクセスを確保するよう、各施設に呼びかけました。

DSWDが発表した声明によれば、優先駐車場へのアクセスは車両の種類ではなく、乗客の権利と必要性に基づくべきであるとしています。

この呼びかけは、ラグナ州のパセオ・デ・スタ・ロサで、ネットユーザーが警備員に対して提出した苦情を受けたものです。このネットユーザーは、障害を持つ子供と兄弟を連れていたにもかかわらず、優先駐車スペースに彼らのeトライク(※電動三輪車)を駐車することを阻まれました。

また、国家障害者問題評議会(NCDA)の建築環境と交通のアクセシビリティに関するサブ委員会(SCABET)も、この事件に深い失望を表明しました。この事件は、明らかにバタス・パンバンサ344号法(※フィリピンの建物や公共施設のアクセシビリティを確保する法律)および共和国法7277号、すなわち障害者のためのマグナ・カルタに違反しているとしています。NCDAは、このような事件が再発しないよう、地方自治体(LGU)に対してBP 344を施行するための条例を発行するよう求めました。

これに続き、DSWDは、たとえ障害が外見からは分からなくても、PWDの特権を尊重するよう一般市民に注意を促しました。

【用語解説】

– eトライク: 電動三輪車のこと。フィリピンでは、短距離の移動手段として一般的に使用されています。
– バタス・パンバンサ344号法: フィリピンにおける建物や公共施設のアクセシビリティを確保するための法律です。この法律は、障害者が公共の場での移動や利用において平等な機会を得られるようにすることを目的としています。
– 共和国法7277号(マグナ・カルタ): 障害者の権利を保護し、彼らが社会において平等な機会を得られるようにするための法律です。障害者の差別を禁止し、彼らの福祉を促進するための措置を定めています。