ケソン市、包括的なジェンダー包摂健康条例を制定

マニラ、フィリピン — ケソン市の地方自治体は、国内で初めて包括的なジェンダー・インクルーシブ・ヘルス条例を可決し、すべてのQCitizens(ケソン市民)に適切な医療サービスを提供することを目指しています。

この条例は、ケソン市議会議員のバーナード・ヘレーラ氏とドロシー・デラルメンテ氏によって推進され、ジェンダー・アファーミング・プライマリーケア、メンタルヘルスサポート、専門的な医療サービスを提供することを目的としています。

「この画期的な条例は、ケソン市の真に包括的な医療システムへのコミットメントを再確認するものです。すべての市民は、自分が誰であるかを認識し尊重するケアを受ける権利があります。この法律により、健康の公平性を達成するという目標において、誰一人取り残されることがないようにしています」と、ケソン市長のジョイ・ベルモンテ氏は述べています。

ベルモンテ市長は、ジェンダー・ダイバーシティやトランスジェンダーの住民に対する医療の障壁を取り除くことが重要であると強調しました。

新しい条例の下では、ケソン市内のすべての医療施設が、ジェンダー・アファーミング・コンサルテーションとカウンセリング、医療ガイダンス、専門サービスへの紹介、ジェンダー・ダイバーシティやトランスジェンダーの個人に対するメンタルヘルスサポートを提供することが義務付けられています。

条例では、すべての種類のコンバージョン・セラピーおよびSOGIESC(性的指向、性自認、性表現、性の特性)抑圧行為を禁止しています。

実施細則(IRR)は、LGBTQIA+団体、市民社会組織、医療専門家との協議を通じて、60日以内に策定されます。

【用語解説】
– QCitizens(ケソン市民): ケソン市の住民を指す。
– ジェンダー・アファーミング: ジェンダーを肯定する、または認識することを指す。
– コンバージョン・セラピー: 性的指向や性自認を変えようとする治療法。
– SOGIESC: Sexual Orientation, Gender Identity, Gender Expression, and Sex Characteristicsの略で、性的指向、性自認、性表現、性の特性を指す。